第28章 たちこめる霧に包まれたひとつの星
初めは戸惑って、ただ俺にされるがままに震えていたマヤも、少しずつ俺の動きに合わせたり応えたりできるようになって。見上げてくる瞳は熱っぽく潤んで、こぼす吐息はなまめかしく。
マヤのすべての反応が可愛くて、愛おしくてたまらねぇ。
口づけだけで、こんなにも好きでたまらねぇんだ。
この先もっと深く愛し合ったならば、一体どうなっちまうんだろうな…。
そのときこいつは今以上に甘い声で絶え間なく啼いて、なめらかな肌を桃色に染めて、見たこともない色っぽい顔で乱れるのだろうか。
その瞬間を想像するだけでリヴァイは身体の奥底からゾクゾクとして、熱い肉欲が噴出しそうになってくる。
「んん…、ん…」
閉じられたマヤのまぶたと、伏せられた長いまつ毛が軽く痙攣している。
もうじきに目覚めるであろうマヤの頭を撫でてやる。
いつかきっと訪れるはずの… マヤをこの腕に抱き、幾度となく狂ったように貫く日を妄想していてはきりがない。
今はこうして抱き寄せて、肩にもたれかかっているマヤの顔を見守りながら美しい髪に指を絡ませるだけで充分じゃないか…。
そんな想いで絹のような手ざわりの髪を梳く。
先ほどの口づけで乱れた影響なのだろうか、ほんの少し汗をかいていて、マヤの髪はかすかな花のような石けんの香りの他に、女性が発散する汗のような体液のような独特の匂いが風に乗ってくる。
その香りが発酵した果実のように魅力的で、リヴァイはぶるりと身震いをすると髪に顔をうずめて思いきり嗅ぎ始めた。
すぅーっと吸いこんで、はぁーっと熱い吐息を漏らす。
その行為を繰り返せば、もともとたかぶっていた下半身はさらに痛いくらいに張りつめてしまうがやめられない。