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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第27章 翔ぶ


しばらくマヤもミケも呆然と、無情にも閉まった扉を見ていた。

先に我に返ったのはミケだ。

「マヤ、大丈夫か?」

「分隊長…」

マヤの顔色が悪い。

「……私、何をしたんでしょうか…?」

「さぁ、俺にも訳がわからないが…」

ミケはリヴァイが執務室に来てからの行動を思い返してみる。

……どう考えても、いつものリヴァイではなかった。

だが、何故?

そもそも… あいつなりの理由があって、マヤにあんな態度しか取れないなら何故わざわざここに来た?

来なければいいじゃないか。

次にマヤがリヴァイに話した内容も考えてみる。

別に機嫌を損ねるようなものではなかったはずだ。

マヤは気にしているみたいだが、いくらなんでも “酒豪四天王“ と噂されたくらいで怒ることはないだろうし。

「マヤ、気にすることはない。俺が思うに、リヴァイの言ったままのはずだ」

「兵長の言ったまま…?」

「あぁ、そうだ。リヴァイは素直だ。だから気分が悪いのか? 二日酔いか? と訊いたときに違うと答えた。なら間違いなく “違う” ということだ。それからリヴァイは “謝らなくていい、俺のせいだから” と言っていたよな?」

「はい…」

「だったら…、言葉のとおりだ。マヤは謝る必要はなく、不機嫌なのはリヴァイのせいだ。そして執務の手伝いに来るなっていうのも… “必要ないから” なんだろう。だから気にするな。お前は何も悪くない」

「そう… ですか…?」

「あぁ」

ミケは元気も自信も何もかもなくしてしまったマヤを、さらに励ます。

「またすぐにでもマヤが必要になって、手伝ってくれと泣きついてくるさ。元気を出せ」

「はい…」

元気を出せと言われて、すぐに元気いっぱいになれるはずもなく。

「片づけますね…」

マヤは落ちこんだ様子で食器を片づけ始めた。

その様子にミケの胸は痛んだ。

……リヴァイ、何を考えている?

カチャカチャと食器を片づける音がするなかミケは心当たりを探ってみるが何もない。

……エルヴィンに訊いてみるか。

きっとエルヴィンならリヴァイの意味不明な態度の理由もわかるに違いない。

ミケは確実な解決策を思いついて、やっと胸のつかえが下りた気がした。


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