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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第27章 翔ぶ


……それにしてもあの会議のときのリヴァイときたら…。

ミケは舞踏会の招待状が来たときにおこなわれた会議でのリヴァイの様子を思い出して、にやけてしまう。

なんとかしてマヤの王都行きに随伴しようとしたがエルヴィンに突っぱねられて窮地におちいる。だが最後には立ちはだかっていたエルヴィンに “休暇で王都に行く” という案を示唆され、それに乗った。まさにエルヴィンの手のひらの上で踊らされて。

過程はどうであれ、リヴァイは調整日を利用して王都に行き、レイモンド卿の主催する舞踏会に顔を出した。

……マヤはどう思っているのだろうか?

ミケは気になって話を振ってみる。

「リヴァイが結局は、舞踏会に参加したらしいな」

リヴァイの名が出た途端に、マヤの表情が華やぐ。

「ええ、そうです。ナイル師団長と合流するとは聞いていましたが、やっぱり私たち三人だけでは不安で…。そんなとき行きの船で兵長を見かけて、どうしてここにいるの? と思いました。でもあとから憲兵団に用事があったと聞いて、舞踏会にも出てくれることになって、ものすごく心強かったです。ナイル師団長は急務で来られるのが遅くなりましたし…」

「そうか、良かったな」

「はい…!」

「舞踏会で、くんたまとシェーブルチーズは出たか?」

舞踏会の前にこの執務室で話題になった食べ物の話題もあげてみる。

「それですけど…、やっぱり舞踏会のメニューとしては出てこなかったです。途中でバルネフェルト公爵が好きなものを注文していいと仰ったのですが、そのときに頼めば出てきたんだとは思います。でも注文しませんでした」

少し頬を赤らめて、両手で持っている青地に白い鳥の羽ばたく模様のマグカップを覗きこむマヤ。その仕草を見てミケは、何故そのときに注文しなかったのか即座に理解したが、あえてわからないふりをする。

「……なぜ? 頼めばよかっただろうに」

「それは…」

マヤの顔は、ますます赤くなっていく。

「分隊長も言っていたじゃないですか…。王都の酒場には、兵長と一緒に行けばいいじゃないかって…」

「あぁ、そうだったな」

わざとミケは、とぼけてみせた。


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