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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第12章 心づく


「じゃあ その面白くない会話をしたあと、何をやってるの?」

ペトラは事細かに訊いてくる。

「うーん、そうね…。分隊長は新聞を読んでる」

「兵長は?」

「兵長は…」

マヤは休憩のときのリヴァイを思い出そうと眉根を寄せた。

「紅茶を飲んでる」

「紅茶を飲んでるのはわかってるわよ。分隊長は紅茶を飲みながら新聞読んでる訳でしょ? 兵長は何してるの?」

……何してるの?って言われても…。

私だって兵長を観察してる訳ではないんだから、知らないわよ…。

えっと…。

あ… そうだ。

なんとなく視線を感じて顔を上げたら、いつも兵長と目が合うような…。

それから兵長が視線を外して…。

またしばらくして兵長の方を見たら、こっちを見ていて…。

ん?

もしかして… 兵長って… 私を見ている…?

「マヤ、マヤ!」

「あ… な、何?」

「なぁに顔赤くして、ぼーっとしてるのよ」

「ごめん」

「で、結局 兵長が何してるか、よくわからない訳ね」

「……うん…。考えごとでもしてるんじゃないかな…」

マヤのその言葉に、ペトラはうなずく。

「確かに兵長って黙ってること多いしね」

「うん…」

「まぁ いいや。オルオのやつが邪魔だけど、とにかく明日は初の執務補佐だもん。頑張ろうっと!」

嬉しそうなペトラを見て、マヤも笑顔になる。

「頑張ってね」

「ありがとう! また何かあったら、話 聞いてくれる?」

「もちろん!」

ペトラは立ち上がると、おやすみと上機嫌で帰っていった。





布団に入ったマヤは、なかなか眠れなかった。

先ほどのペトラとのやり取りの中で一瞬浮かんだ考えに、囚われてしまったからだ。

……兵長が… 私を見ている…?

そんな訳ない… そんな訳ないじゃない!

いつから私は、こんな馬鹿げた自惚れをするようになったんだろう。

今日の食堂でだって、兵長が助けてくれたと勘違いしたりして。

でも… いくらそんな訳ないと否定しても、勘違いだと思おうとしても、顔を上げたら必ず絡み合う兵長の熱っぽい視線が思い出されて… 胸が苦しい。

……私 どうしちゃったんだろう…。

マヤは眠らなきゃと… すべての思考を無理やり振り払うと布団を頭までかぶり、ぎゅっと目を閉じた。


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