【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
気がつくと、サクラはベッドの中にいた。
でも自分の部屋ではない。
「こ・・・こは・・・・・・?」
「気がついた?」
心配そうに顔を覗き込んできたのはハンジ。
そういえば、気を失う前に聞こえたのも、この人の声だった。
「ここは医務室だよ。サクラ、あなたは中庭に倒れていたんだ。それは・・・酷い状態で」
「・・・・・・!!」
思い出した。
自分はアルバートに・・・!
吐き気をもよおして口を抑えたサクラを見て、ハンジは怒りに震える。
「今度の壁外調査で私たちだけでも巨人を捕獲できないかとモブリットと計画をたてていたんだ。そしたら、中庭でサクラを見つけた・・・」
「それで・・・分隊長が助けてくださったんですね」
「・・・いや、私は助けていない。ただ“見つけた”だけだ。もっと早く中庭に行っていれば・・・」
サクラをこんな目に遭わせることはしなかっただろう。
「・・・・・・・・・」
シン、と静まり返った部屋。
少しでも多くの傷ついた兵士を収容できるよう、ここには20台のベッドが置いてある。
しかし、寝ているのはサクラだけだった。
「・・・服が・・・・・・」
気付けば、ボロボロになった服は脱がされ、病人用の寝巻きを着ている。
「ごめん、私が着替えさせた。あなたを見つけてからの話をした方がいいかい?」
「・・・お願いします」
するとハンジはゆっくりと教えてくれた。
サクラを抱き上げたのはモブリットで、自分は医師を起こしに行ったこと。
医務室についてからすぐに膣内洗浄を行ったこと。
その際、性器周辺に裂傷が認められたため縫合したこと。
犯人は・・・わかっていないこと。
「いっぺんに話しすぎたかな?だいじょうぶ?」
「はい・・・だいじょうぶです」
そうは言ったものの、ハンジの言ったことの半分程度しか頭に入らなかった。
ただ、アルバートに疑いがかかっていないことは理解した。
「そ、それでね・・・言いにくいんだけど・・・」
ハンジが続けようとしたところで、医務室のドアをノックする音が響いた。