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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第24章 From Bottom of My Heart




「だが、俺はお前とこうして土を弄るのも悪くないと思う」

返り血を浴びてもすぐに拭けるよう、戦う時は必ずハンカチを懐にしのばせる。
そんな神経質で潔癖性な男が、躊躇なく土で手を汚しながら雑草を抜く。


「お前が大切にしているものが、この小さな空間にすべて詰まっているような気がする」


それに触れることができ、嬉しく思う。


自分の手は命を殺すことができる。
自分の手は命を守ることができる。

しかし・・・


自分の手は命を育むことができない。


だから、こうしてサクラと一緒に、彼女が愛しているものを育てることができるのが嬉しい。


ありがとう。


さっきリヴァイが礼を口にしたのは、サクラに対してというのもある。

だが、それ以上に・・・


花を咲かせれば、サクラは嬉しそうに微笑む。
枯れれば、それまで咲き誇ったことを慈しむ。

こんな小さな空間にも、四季はある。

サクラが愛し、守ろうとしている世界を象徴している。
それを彼女と一緒に育てていけることが嬉しかった。


なあ、サクラ。

四季折々の花を育てよう。
そして、いつか・・・

ウォール・マリアの向こうに広がる世界の、さまざまな植物で埋め尽くせればいいな。

そうすれば、その分だけお前の嬉しそうな顔を見れる。
慈愛に満ちた顔を見れる。

その日がいつか来るように、俺は全てを懸けてお前が愛するものを守ろう。


そんなリヴァイの気持ちが伝わったのだろうか。
それとも、雑草を綺麗に取り除いてもらったからか。


「ありがとうございます」


サクラはそう言って、微笑んだ。


一つの季節が終わり、新たな季節を迎えようとしている。
そんな穏やかな、ある日のこと。







『From Bottom of My Heart』Fin.










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