【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
「痛いよ、アルバート!」
「ロゼとてめぇは仲が良かったなぁ、サクラ!解散式の夜、俺はロゼに言われたよ」
“私の親友は調査兵を選んだ。
私は彼女を心から尊敬する。
あなたは駐屯兵団を選ぶの?・・・そう”
「あの時のロゼの俺を蔑むような目、忘れられねぇよ。そんなこと言われたら、あいつに認めてもらうためには調査兵を選ぶしかねぇじゃん!」
「・・・・・・・・・・・・」
「てめぇが調査兵なんか選ばなければ・・・・・・ロゼの親友じゃなければっ・・・!!」
アルバートの涙が、サクラの頬に落ちてくる。
「俺がバカじゃなかったら・・・・・・ロゼと一緒に憲兵団に入れたんだ」
「アルバートは・・・調査兵であることに誇りを持っていないの?」
「誰がこんなクソみてぇな組織に誇りを持つかよ!団長や兵長なんて、誰が、何人死のうが涼しい顔してるんだぜ?!あいつらは人間じゃねぇよ!」
ドクン!
その言葉は、サクラの心臓を激しく脈打たせた。
「団長や・・・兵長が・・・涼しい顔をしているって・・・?」
リヴァイ兵長は、自分の部下が死を迎える時、片時も離れずに看取った。
そして、故人の願いを叶えるべく、悲しみと怒りを押し殺しながら一人で墓を掘っていた。
エルヴィン団長だって、自ら死んだ兵士の遺族のもとへ死亡通知を届けに行く。
彼らは望んで涼しい顔をしているのではない。
迷いや後悔を顔に出したら、団員は戸惑ってしまう。
自分達が歩んでいる道は間違っているのかと疑念を抱えてしまう。
「私にも兵長や団長の心の中はわからない。でも、信じられないのなら、あなたは調査兵を辞めるべき」
バシン!
激痛が左耳から頬にかけて走った。