【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
「獣のように所構わずサカりやがって・・・気持ち悪い」
「お前がそれを言うのか、リヴァイ」
王都の地下街ではありふれた光景ではなかったのかと含み笑いを見せるエルヴィンを、リヴァイは鋭い目つきで睨みつけた。
「とにかく、損失はしかたがない。残った者で編成を組み直そう」
「次の壁外調査が決まったのか?」
「ああ。そういえば、お前の班の者が一人殉死したな。補強するか?」
今、リヴァイの直下にいるのは、エルド・ジンとグンタ・シュルツを含めた4人。
「希望する人間はいるのか?」
「役に立つかどうかは知らねえが、いちおういる」
「ほう?」
エルヴィンは興味深そうにリヴァイを見た。
「男女一人ずつ・・・だが、今すぐに入れるつもりはない。少し様子を見てから判断したい」
「男女・・・?女性の方はブルームか」
その瞬間、リヴァイの表情がわずかに変化する。
まさかその名前が出てくるとは思っていなかったのだろう。
「なぜ、サクラの名前を出す?」
「違うのか?」
「アイツを俺の班に入れても死ぬだけだ」
それだけ危険な仕事を俺に押し付けている張本人はお前だろうと、もう一度睨む。
「ならば、誰だ?編成を組むためにも知っておきたい」
「女の方はペトラ・ラル。それと、男がオルオ・ボザドだ・・・だが、まだ入れなくていい。今はエルドやグンタ達だけでじゅうぶんだ」
「そうか」
エルヴィンは肩をすくめ、再び作戦図へと視線を落とした。
死者38人と、退団が5人・・・
間違いなく分隊の編成を見直さなければならない。