【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第23章 My Love Blooms for You
───桜が咲き誇る時間はとても短い。
でも、その瞬く間の美しさは私達の心に深くとどまります。
数年前、桜の木の下で結ばれた男女。
女兵士は自分に愛をくれた人の頭上に桜の花弁を落としながら、こう願っていた。
“どうか・・・この舞い散る花弁の優しさを忘れないでください”
全て散って枝だけになっても、春が来れば再び花を咲かせる桜のように。
たとえこの身体が滅びても、この心は貴方のために何度も蘇るだろう。
“リヴァイ兵長、どうか忘れないで”
リヴァイの頬を撫でるように落ちる、花弁。
「私はどんな貴方も愛しています」
貴方が誰を殺しても。
貴方が悪魔になってしまっても。
私の愛は貴方のために何度も蘇るだろう。
桜の舞う世界に蘇った想いが、眠る兵士を優しく抱きしめる。
大丈夫。
貴方がこの先、どのような選択をしても私の愛は貴方とともにある。
私の手はいつも貴方の手を握っているでしょう。
「・・・・・・・・・・・・」
桜の想いは伝わったのだろうか。
リヴァイの眉間からいつしかシワが消えていた。
優しい風に揺られて落ちた花弁が、フワリと彼の頬を撫でる。
花弁のシャワーを浴びせる、誰かのイタズラのように・・・