• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第23章  My Love Blooms for You





「この花壇だってそうですよね。世話をする兵士が死んだから、こうやって死んでいくしかない」


死は死を、悲劇は悲劇を呼ぶ。
ならばどこかでその連鎖を断ち切らなければならないだろう。


「だからオレは残された時間の限り前に進み続ける」


“進撃の巨人”として、その使命をまっとうするために。


「それがオレの“選択”です」


ハンジとエレンの間に、静かな風が吹いた。
それは温かくもあり、冷たくもあり。

まるで優しい人が流す涙のようだ、とハンジは思った。


「エレン・・・君の思う通りにすればいい。私は君の選択を信じるよ」


ハンジは春の夕日に赤く染まった部下を見て微笑んだ。


「でも・・・ちょっと思ってしまうな。君がもしあの子と出会っていたら、今と同じ言葉を言ったのだろうかと」


誰も憎まず、ただ世界を愛していた人。
破壊も已む無しと考えるエレンを、彼女はただ抱きしめただろう。

心臓を通して命の鼓動を伝え、
涙を流して命の温かさを伝えるために。


「ハンジさんが言う、その兵士って───」


───サクラのことですか?


そう聞きかけて、エレンは口をつぐんだ。
ダメだ、今の自分が口にしていい名前ではない。

サクラが生きていたら・・・きっと悲しい目で自分のことを見ただろう。
敵を駆逐するためには、平和な人々の暮らしに破壊を持ち込む事だって辞さない化け物を・・・






/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp