【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第23章 My Love Blooms for You
“お前に、選択するチャンスをやる”
“俺に命を預けて進むか、それとも戻るか・・・後悔しない方を選べ。お前の選択を尊重する”
たった二人だけの壁外遠征。
もし私の選択が“戻ること”だったら、彼はいったいどうしたのだろう。
それでもこの地を目指していたのだろうか。
“ここには亡き家族との思い出があるんだろ?”
“お前の大切な記憶を、俺も見てみたかった”
貴方が私の記憶に触れてくれたことがすごく嬉しかった。
人類の未来のために死んでもいいと思う反面、この人のために生きていきたいと思った。
空も、風も、大地も、すべてを淡い薄桃色に染める花。
ヒラ・・・
ヒラ・・・ヒラ・・・・・・
私に桜を見せる、その目的を果たした疲れからか、貴方は今、珍しく深い眠りについている。
怖い夢を見ているのかしら。
細い眉を曇らせ、ときおり瞼が小さく震えている。
でもひとたびその目を開ければ、心の中にどんな悲しみや恐怖を抱えていようとも、それをおくびにも出さず、自由の翼を広げて人類の最前線に立つ。
人類最強であるが故に、彼はたくさんのものを犠牲にしてきただろう。
そしてこれからも・・・