【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第22章 Let Your Heart Be Light
この国にいるはずのないエルヴィンとハンジの登場に、流石のリヴァイも呆気に取られていた。
「オイ・・・お前ら・・・これは・・・どういう状況だ?」
それだけじゃない。
「・・・一部始終を見届けたぞ、リヴァイ」
おまけにミケまでいる。
いまだに状況を飲み込めずにいるリヴァイを尻目に、サクラはエルヴィン達に向かって深くお辞儀をした。
「エルヴィンさん、ハンジさん、ミケさん、お手伝いをありがとうございました」
「手伝い・・・? これはこいつらと仕組んだことなのか?」
「お忘れですか? 兵長も昔、誓いを立てるために団長達にお手伝いしてもらったでしょう?」
「いや・・・そうだが・・・」
まさか、このためにハンジとエルヴィンはさっさとクリスマス休暇を取っていたのか・・・?
「お前ら・・・相当ヒマなんだな」
「酷いなあ! 右も左も分からない国で、ポインセチアをこれだけ集めてくるのは大変だったんだぞ」
ハンジは心外だとばかりに頬を膨らませている。
確かに、よくこれだけのポインセチアを集めてこられたものだ。
「ここの教会だってエルヴィンが“交渉”してくれたから、イブの最後のミサからクリスマス当日の最初のミサまでの間だけ・・・という約束で貸してもらったんだよ」
「エルヴィンが・・・?」
リヴァイが横目でチラリと見ると、エルヴィンは含みのある笑顔で返してきた。
あの野郎・・・また、トンでもねぇ手段を使ったんじゃねぇだろうな。
変な噂が立って住みにくくなるのは俺達なんだぞ・・・と、顔をしかめる。
「それだけじゃないんですよ、リヴァイさん」
「・・・あ? まさか奇行種まで用意してるとか言うなよ」
「もうすぐだと思うのですが・・・」
サクラがスマホを取り出そうとした瞬間。
再びドアの向こうから慌ただしい音が聞こえてきた。