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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第22章 Let Your Heart Be Light









頬を撫でる冷気に、リヴァイがゆっくりと“現実”へ引き戻されていく。

目を開けると、天井には蛍光灯、壁にはデジタル時計。
あの世界には無かった家具の数々に、一瞬混乱した。


ああ・・・そうか・・・


“昔”の夢を見ていたのか・・・・・・



時折、記憶を呼び起こすかのように夢を見る。

巨人に支配されていた世界で、剣を持って戦っていた日々のことを。
それはあまりにも鮮明で、目覚めてもしばらくはどちらが現実なのか分からないこともあった。


「・・・・・・・・・・・・」


隣で寝ているはずのサクラを抱き直そうとしたが、その姿がないことに気づき、身体を起こして部屋を見渡す。

「サクラ、そこで何してる」

まだ薄暗いというのに、サクラは明かりもつけずにテーブルに向かっていた。
その手には本を持っている。

「リヴァイさん、起こしてしまいましたか? すみません」
「いや・・・構わねぇが・・・本なら別に今読まなくてもいいんじゃねぇのか」
「もう少しで終わりそうだったから、読み終えてしまおうと思って」

その言葉に、リヴァイの心臓がドキリと嫌な音を立てた。

サクラはフリースのパジャマを着て、スターバックスコーヒーのクリスマスブレンドを飲んでいる。
壁外調査に出立する朝なら、こんなにのんびりはしていないはずだ。

この世界には巨人はいない。
もし心臓に病気を抱えても、今の医学なら救うことができる。

彼女の命を奪うものは、なにもない。


リヴァイは布団を持ち上げ、ベッドの中に戻るようサクラに目を向けた。






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