【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第22章 Let Your Heart Be Light
パタンと本を閉じ、リヴァイは天井を見上げた。
愛する人からの手紙を読み終えた男性が、最後のシーンでそうしていたように。
「・・・・・・・・・・・・」
男性と違うのは、リヴァイの両目からは涙が出ていないということ。
何故、調査兵の間でこの小説が流行っていたのか、分かったような気がする。
“兵長・・・もし今日一日、私と会わず、口もきかずにいてくださったら、私は一生貴方のものですと言ったら、貴方はそうしてくれますか?”
サクラ・・・お前はいったい、何を想ってそんな事を聞いた?
もしかしたら、壁外遠征に行く前に自分の寿命を悟っていたのか・・・?
“おかげで私は貴方の命の一部として、一緒に生きていくことができる”
そう言いたかったのか?
「サクラ・・・もしお前の命が俺の中に宿っているのなら・・・俺はそう簡単に死ぬわけにはいかねぇな」
お前を2度も殺すわけにはいかない。
不思議とお前が死んでから、お前に分け与えていた力が戻ってきたような感じがする。
お前を殺すことになったこの力とともに、俺は“自由の翼”を背負って巨人と戦う。
サクラが愛した世界を守るために。
リヴァイはそのままゆっくりと目を閉じ、誘われるまま眠りに落ちていった。