• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第21章 感謝のShort Story



「恋愛とか、正直今もよく分からないけど・・・きっとオレはサクラが好きだったんだと思います」


部下の告白を聞き、リヴァイはそっと瞼を閉じて大きく深呼吸をした。

怒りを抑えるため・・・?
いや、違う。


サクラが自分以外の男とキスしていたと知り、さらにその男がサクラに特別な感情を抱いていると知った今・・・

リヴァイは不思議と安らぎに近いものを感じていた。


「それで・・・何でお前はサクラに謝りてぇんだ? 好きならキスしたいと思うのは当然のことだ」

「それは・・・サクラが困ったような顔をしてたから・・・それがずっと引っかかってて・・・」


エレンが覚えている限り、いつもサクラは笑っていた。
ミカサやアルミンもきっと、そんな彼女しか知らないだろう。

でも、あの日・・・
キスをされたサクラは、エレンを拒絶していた。


「オレはアイツが笑顔でいてくれないと嫌なんです。悲しそうな顔されると苦しくなるし、泣きたくなるんです」

「・・・俺よりデカイ図体して何言ってる」

「・・・すいません」


兵長に何を言っているんだ、自分は。
忙しい人だ、こんなガキの悩みに付き合っている暇などないはず。

申し訳なくて、情けなくて、エレンはただ謝ることしかできなかった。

「・・・・・・・・・・・・」

うなだれていると、隣の椅子を引く音が響く。
リヴァイがその椅子にドカリと座ったかと思うと、信じられない事が起こった。

「へ、兵長・・・?」

普通の成人男性と比べたら小振りな手が、エレンの髪を撫でていた。
それがリヴァイの手以外にはあり得ないというのに、認識するまでに時間がかかる。


まさか人類最強の兵士が、たかが新兵の頭を撫でるなんて・・・


もしここにオルオが居たら発狂していただろう。



/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp