【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第21章 感謝のShort Story
ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう
誰がそう言ったの?
誰がそう決めたの?
それはわたしの心よ、美しい人
わたしの心がそう決めたの
ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう
「・・・すげぇ・・・サクラに見せてやりてぇな」
アルミンやミカサもきっと目を丸くするだろう。
誰かが植えたのか、それとも自然と群生しているのか、青紫色の花が太陽に向かって咲いている。
エレンは顔を綻ばせ、泉のそばにある木の根元に腰を下ろした。
キラキラと降り注ぐ木漏れ日は、軽く眠気を感じるほど心地よい。
まるでサクラに抱きしめられているようだ。
不思議と、先ほどまで感じていた孤独が薄れていった。
・・・あいつがここにいるみたいだな。
『 大丈夫よ、エレン。貴方は一人じゃない 』
幻聴なのだろうが、懐かしい声が聞こえてくる。
「サクラ・・・」
そうだ、この花を摘んで帰ろう。
確か、乾かすと香りが強くなって、長持ちするんだよな。
ベッドのそばに置けば、あの暗くて冷たい地下室でも安らかに眠れそうな気がする。
「それに・・・」
先輩方にプレゼントすれば喜んでくれるだろう。
きっと、きれい好きなリヴァイ兵長も気に入ってくれる。
エレンはさっそく、ラベンダーの花を丁寧に摘み始めた。