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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第21章 感謝のShort Story




「・・・そうだ、オルオさんから庭掃除もするよう言われていたんだった」

旧本部の庭は広大だ。
しかも放っておけば、三日で雑草が生い茂ってしまう。

エレンは屈んで雑草を抜きがながら、苦しそうに眉根を寄せた。


「クソ!」

深く根を張った雑草は、いくら引っ張っても抜ける気配がない。
イラついて無理やり引っ張った途端、細い草で指を切った。

ジワリと血が滲む、人差し指。
傷口を舐めると、最近は馴染み深くなった鉄の味がする。

「ハハ、これくらいじゃ巨人になんねぇんだな」

この間の実験では、腕にいくつもの噛み傷を作っても、思うように巨人化できなかった。
草で指を切ったくらいで巨人になっていたら、この先の人生が思いやられる。


「痛い・・・」


オレは調査兵なのに・・・


「痛いな・・・」



オレは・・・巨人なのに・・・


「・・・気持ち悪い・・・」


胸が痛い。

巨人のくせに感情があるなんておかしい。
調査兵のくせに巨人に変身するなんておかしい。

でも、それを受け入れている自分がいる。
それが気持ち悪くて仕方がない。


「サクラ・・・」


エレンはまだ15歳。

トロスト区での一件からまだ日が浅いせいか、気持ちをコントロールするのが難しい時もあった。


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