【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第21章 感謝のShort Story
「下世話な野郎だ」
「だが、結ばれたのだろう? お前の雰囲気を見れば分かる」
「・・・・・・・・・・・・」
黙っているところを見るに、どうやら本当に“関係”を持ったようだ。
もともとサクラの方もリヴァイに気があったようだったし、自分に桜を見せるため命をかけたとあれば、リヴァイに全てを許したとしても不思議ではない。
すると、リヴァイはエルヴィンの机の上に小さな花を置いた。
薄桃色の花びらが幾重にも重なり、触れたら崩れてしまいそうなほど繊細な花。
「ほう・・・これが桜か?」
「ああ」
「綺麗だな」
「空も、風も、大地も、全てがこの色に染まるんだ。そりゃ圧巻だった」
あの景色を見て 初めて、この世界が美しいと思った。
この花びらが舞い散る中でサクラを抱き、彼女とひとつになることができた。
「ありがとう、エルヴィン」
思いがけない言葉に、桜を手に乗せていた団長が驚いたように目を丸くした。
リヴァイが・・・自分に礼を言った・・・?
「今のは幻聴か? お前が俺に礼を言ったように思えたが」
「そう思うんなら、お前の耳は相当いかれてるな」
片腕を椅子の背もたれにかけ、脚を組むリヴァイはいつもと変わらない。
でも、その瞳は今までに見たことがないほど優しいものだった。
「感謝してる。お前のおかげで俺はサクラに桜を見せることができた」
「・・・・・・・・・・・・」
「それに・・・あいつの“処女”を受け取ることができた」
エルヴィンはその言葉を聞いた瞬間、リヴァイのサクラに対する深い愛情を感じた。
サクラはアルバート・ストラングラーに強姦されている。
膣口が裂けるほど犯され、避妊のために水銀を服用しなければならなかった。
それでもリヴァイは・・・彼女を穢れのない存在だと認め、処女だと呼ぶのか。