【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
以前、酒に酔ったリヴァイが、 珍しく幼い頃の話をした時。
大事そうにシステム手帳に挟んであった絵葉書をハンジに見せた。
それは、リヴァイの叔父宛のもので、内容はつまらない近況報告だった。
しかし、リヴァイはその後ろの写真に惹かれたという。
“この場所に大切な何かがあるような気がするんだ”
その言葉に、自分の文通相手から届いた手紙に書いてあった一文を思い出した。
“大切な何かがあるような気がして、この場所に来ました”
添えられていた、一枚の写真。
それは、リヴァイの持つ古びた絵葉書と酷似していた。
“リヴァイ・・・私も一緒に探してあげよう”
そう言ったハンジに、リヴァイは三白眼を優しく揺らしていた。
数カ月後。
それがここだということが分かったと同時に、リヴァイの転勤が決まった。
きっと・・・運命だったのだろう。
そして私が彼女と“再会”したことも・・・
そこまで急な坂ではない、山道。
頭上ではアーチを組むように薄桃色の花を咲かせた枝が伸びている。
途中、道標が立っていた。
文字は読めないが、おそらく目的地としている神社が近いことを示しているのだろう。
「おい、ハンジ」
「ん?」
「なんでわざわざ文通相手を誘った?」
別に一緒にこの景色を楽しみたいというのなら構わない。
しかし、“紹介するために呼んだ”と言われたら、少々居心地が悪い。
「すごく良い子なんだよ。きっとリヴァイも気に入る」
「あ?」
「その歳で結婚はおろか、彼女もいないのは健康的じゃないからね」
「余計なお世話だ。それを言うならお前だってそうだろ」
まったく・・・
自分は女遊びをするために日本へ来たわけではない。
リヴァイは軽い苛立ちを感じたが、歴史を感じさせる神社が見えてきた瞬間、それが消える。