【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「リヴァイ兵長」
リヴァイに寄り添いながら、舞い散る花びらの一枚を手に取る。
「桜が咲き誇る時間はとても短い。でも、その瞬く間の美しさは私達の心に深くとどまります」
永遠に・・・
「貴方と過ごした時間は短かったかもしれません。だけど、私は何度生まれ変わってもずっと待っています・・・再び貴方に出会うまで・・・」
この、美しい光景の中で・・・
「永遠に待っています」
サクラの重みが少しずつ消えていく。
「サクラ、まだ逝くな」
慌ててその体を抱きしめた。
一秒でも長く一緒にいられるなら、自分の命を削ってもいい。
するとサクラはリヴァイの頰を優しく撫でた。
「前にラベンダーの花言葉を教えましたが、あの花にはもう一つ意味があるんです」
“ 花は、それぞれ言葉を持っているんです ”
足湯から漂う香り。
マッサージをする温かい手。
“ この花が持つ言葉は、“優美”と“沈黙”です。清潔を保ち、傷を癒すからそう言われています ”
俺に似合うと言っていたサクラが愛しくて、あの時に初めて思った。
巨人の脅威に怯えながら生きる、この世界も悪くない・・・と。
「ラベンダーは千年という時を経ても優しい香りは消えません。今は貴方とお別れしなければなりませんが・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「あの香りが必ず、二人が出会うための道標となるでしょう」
だから、どうか忘れないで。
「 “貴方を待っています” 」
サクラの最後の言葉。
それは二人の思い出の花、ラベンダーの花言葉だった。
そして、二人の思い出の光景も徐々に消えていく。
「サクラ」
約束しよう。
俺は必ず、お前とまた出会う。
何度生まれ変わっても、どのような姿になってでも。
「愛している、サクラ」
それまでは、お前の愛したこの世界を守っていく。
嬉しそうに微笑む、サクラ。
満開の桜と共に、柔らかな光の中へ消えていった。