【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「俺を置いて、一人で逝くんじゃねぇよ」
その頭を胸に乗せ、桜の花弁が数枚絡まっている髪を優しく撫でた。
サクラはそんなリヴァイの体に腕を回し、困ったように微笑む。
「ごめんなさい」
そっとリヴァイの唇にキスをする。
「そして、ありがとうございます」
思いもかけない言葉に、リヴァイは怪訝そうな顔をした。
「・・・何故、礼を言う?」
「あの狼は貴方だったのですね」
サクラの身体・・・
確かにその重みは感じるのに、体温がない。
これが幻であることの証だった。
「・・・俺の力を分け与えたせいでお前は死んだ」
「例えそうだったとしても、私は幸せです」
「・・・・・・・・・・・」
「貴方のおかげで、私はこの景色を見ることができました」
どこまでも広がる満開の桜の木を見つめ、嬉しそうに目を輝かせる。
その幸せそうな顔を見ていると、あの時無理をしてでも連れていくことができて・・・桜の花が咲いていて本当に良かったと思う。