【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
サクラもリヴァイの存在を感じ取ったのか、怯えた瞳をこちらに向ける。
「・・・私達も食べるつもりなの・・・?」
その時、リヴァイは初めて自分が人間以外の姿をしていることに気がついた。
だが、自分がどのような姿をしていてもいい。
今はサクラとロゼを温めることが大事だ。
リヴァイは二人のそばに歩み寄ると、深刻な低体温症になりかけているロゼに身を寄せた。
「あなた・・・ロゼを温めてくれているの?」
彼女に対しては色々と思うことがあるが、そうしなければサクラは自分が凍えることも顧みずにロゼを救おうとするだろう。
目の前で誰かが犠牲になるくらいなら、自らそうなることを選ぶような女だ。
しばらくすると、ロゼの頰に赤みが差し始めた。
もう大丈夫だろう。
リヴァイはそっと立ち上がり、声を高くあげた。
どこでもいい、こいつらが安全な場所はどこだ。
すると、どこか遠くから声が聞こえてくる。
それはあるはずのない声で、自分がどうしてそれを聞き取り、理解できているのか分からない。
しかし、“南へ行け。そうすればお前の愛する者は助かるだろう”と言っていた。
「もしかして・・・道案内してくれるの?」
手を引くと、不思議そうにしながらも、信頼してついてくる。
そんなサクラを、どうしても救いたかった。