【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
そういえば、サクラは夕陽だけは嫌いだと言っていたな。
一人、馬を走らせながら思い出す。
西の空を真っ赤に染める陽の光を見て、珍しく眉をひそめていた。
シガンシナ区が崩落したあの日、超大型巨人が外門を壊したのは夕方だった。
サクラの家族が死んでいった光景と重なるのかもしれない。
太陽が沈む頃になると、決まってサクラはそれから目を逸らしていた。
今・・・この壁外で嫌いな夕陽を見つめ、一人で何を思っているのだろう。
「早く行ってやらねぇとな・・・」
“遅いですよ、兵長”
そう言って頰を膨らませようものなら、背骨が折れるほど抱きしめて口付けよう。
“離してください”
そう懇願しようが、決して離しはしない。
さっき・・・巨人を殺しながら決めた。
明日から俺の班に編入させる、と。
「ハンジには悪いがな・・・」
壁の外でも中でも、ずっと一緒だ。
永遠に、ずっと一緒だ・・・・・・
沈みゆく夕陽の向こうに、嬉しそうに微笑むサクラの笑顔が見えた。