【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第5章 Eye of the Silver Wolf
相手にしているのは、リヴァイ班に所属する精鋭二人。
平地のため苦戦を強いられているらしく、一人は予備の刃を使い切ってしまったようだ。
「俺に任せてください、先輩!!」
「オルオ!!」
ペトラが叫んだ。
オルオの力では倒せないと判断したらしい。
「待って、一緒に・・・!」
ペトラが言い終わらないうちに、オルオは立体機動を発動させて巨人の後頭部にアンカーを撃ち込んだ。
このまま一気にトドメを刺しにいくつもりなのか。
しかし、地上から14メートル上まで飛び上がるには、数秒かかる。
この時間が、命取りとなった。
「無茶をするな、ボザド!!」
巨人の足元にいたリヴァイ班の兵士が叫んだ。
まずはアキレス腱から切るつもりだったのだろう。
しかし、オルオが乱入してきたせいで巨人の足の位置が変わってしまった。
「大丈夫ですって、先ぱ・・・うわぁ!!!」
オルオが首筋に達する前に、巨人が大きく頭を振った。
そのせいで、オルオの体が思いもよらない方向へ飛ぶ。
「オルオ!!」
しかも、体勢を立て直せないオルオの足がリヴァイ班の兵士の頭に当たり、その兵士が倒れこんだところに巨人のかかとが落ちてきて踏み潰されてしまった。
断末魔の悲鳴が上がる。
「サクラ!足を切り落とすよ!」
ペトラが勇敢に剣を抜き、馬から飛び降りて兵士を踏み潰している巨人の足を切りつけた。
しかし、切り落とすところまではいかない。
やはり平地戦となると立体機動の反動が無い分、斬撃の力が弱まるようだ。
サクラはシェリーから降り、呼吸を整えた。
血流を集中させて、背中と上腕の筋肉量を上げる。
すると、ジャケットの上からでも分かるほど、腕の太さが増した。