【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第5章 Eye of the Silver Wolf
「本当に二人、仲が良いよね」
「はあ?」
ペトラが心底うんざりした顔で首を横に降る。
「訓練兵からの腐れ縁なんだよ。ただただ迷惑」
「なんだ、それ!迷惑なのはこっちのセリフだっつーの」
「そのイモくさい喋り方、どうにかならない?」
「は?イモくさいってどこがだよ!つーか、イモくさいってなんだよ?それを言うならおめぇの顔の方が・・・」
ぎゃあぎゃあ喚いているが、オルオも巨人討伐数はかなりのものだ。
二人に比べたら、自分なんてまだまだ。
あと10回は壁外遠征をこなさなければ、到底追いつけないだろう。
「おい、そこ!何やっている!隊列を乱すな!」
こんなに私語をしていたら、上官に怒られるのは当然だ。
サクラとペトラは慌てて列に戻ったが、オルオはどこに戻ればいいのか分からないようで、とりあえず二人の後ろについた。
「サクラ、私は右翼側の支援にいく。あなたは?」
「私も行こう。ハンジ分隊長から必要あれば隊列から離れてもいいと言われている」
ペトラは微笑みながら頷いた。
彼女と知り合って、巨人の“足を止める”ということがどれだけ大事なことか分かった。
誰しもリヴァイのように巨人を一撃で倒す力があるわけじゃない。
巨人の動きを正確に予測し、動きを止めるために正確に太刀を入れる。
そして、仲間に危険が及ばないよう配慮しながら、一撃で巨人を倒せるようにお膳立てをする。
これがどれだけ難しいか。どれだけ才能を必要とするか。
それを思い知った時、サクラはペトラを心から尊敬した。
「オイオイ、俺様も行くぞ!」
「あんたは付いてこなくていいのよ、オルオ!」
「ばぁか!お前らに任せておけねぇっつんだ。しかも、向こうにはリヴァイ兵長もいるんだ、絶好のアピールチャンスじゃねぇか!」
「・・・・・・兵長がいるからこそ、あんたなんか必要ないんじゃない?」
ペトラの言葉を無視して、オルオは馬を飛ばして先に行ってしまった。
「あのバカ・・・兵長の邪魔をしたら許さない!」
「ペトラ、私達も急ごう。オルオが無茶しないように」
シェリーの手綱を引いて、右翼側へと向かう。
案の定、オルオは無謀にも15メートル級に突進していた。