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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「リヴァイ」

エルヴィンが静かに歩み寄ると、冷酷な瞳で兵士長を見下ろした。

「・・・エル・・・ヴィン・・・・・・」

「勝手な行動を取ることは許さない。お前は俺の駒だということを忘れたのか」

「・・・てめぇ・・・サクラが死んでも良いというのか」

「命を失うことになったとしても、お前のそれとサクラのそれでは、意味も、重さも違う」


とても非情な言葉だった。

人間の命に優劣などない。
しかし、3000人の命を救うことのできる人間と、そうでない人間とでは、その重さが違う。


「サクラは分かっている」


“ 団長が私をどのように扱っても、それを受け入れます。たとえ・・・リヴァイ兵長を生かすために、私を殺す選択をしても ”


「彼女は人類に、そして私に命を捧げた」


“ 私一人の人間の命よりも、尊いのは人類です ”


「・・・ッ・・・!」

エルヴィンを見上げるリヴァイの瞳に強い憎しみの色が滲む。

もしミケが押さえつけていなければ、団長を殺してしまうかもしれない。
本気でミケの拘束から抜け出そうとすればできただろう。
しかし、それをしなかったのは、ギリギリのところで正気を保っていたからだった。

そのことは、誰よりもエルヴィンが知っている。


「リヴァイ。我々は今日、ここへ来るまでに4割の兵を失った」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前も知っての通り、補給物資を乗せた荷馬車も壊滅した。我々は奪還作戦どころか、帰還するための物資すらほとんど残っていない」
エルヴィンは地面に膝をつき、必死に殺意を抑えているリヴァイに顔を近づける。
「あと10人失えば、索敵陣形も満足に展開できなくなる。我々のすべきことは、ここから一番近い拠点を目指し、帰還のための補給物資を得ることだ」


立体機動のガス、ブレード。
馬の餌に、食料と水。

僅かに残った物資を守りきり、これ以上の死傷者を出さずに以前構築した補給地点へ辿り着かなければならない。





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