【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「・・・何、騒いでやがる」
背後から聞こえてくる静かな声に、ハンジの脳が急激に冷えていく。
振り向かずとも、その主が誰だか分かる・・・
どうやって・・・伝えればいいんだ。
「リヴァイ・・・」
振り向くと、今しがたここに到着したのだろう。
馬に跨ったまま、ハンジを見下ろしている。
「リヴァイ、状況はどうだった?」
エルヴィンが声をかけると、リヴァイは顔をしかめながら馬から飛び降りた。
「・・・どうもこうもねぇよ。俺が駆けつけた時には援護班どころか、荷馬車班が全滅してた」
「そうか・・・」
「巨人も何体か始末してきたが、俺の班の人間が二人死んだ」
「・・・・・・・・・・・・」
エルヴィンはリヴァイに悟られないよう苦痛の表情を浮かべた。
物資を失ったことも大きいが、リヴァイ班の精鋭を二人も犠牲にしてしまうとは・・・
もう一人も失うことはできない。
「・・・・・・おい、メガネ」
リヴァイは辺りを見回し、あるべきはずの姿がないことに気がつく。
「サクラはどうした?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「一緒じゃねぇのか?」
黙ったまま目を逸らすハンジとモブリットを見て、リヴァイの表情が変わった。
「アイツはどこにいる?」
鋭い三白眼がハンジの右肩、そして手を震わせているモブリットに向けられる。
班を率いる者の負傷、それが意味するものは・・・
リヴァイは静かにハンジへ歩み寄ると、胸ぐらを掴んだ。
「サクラはどこだ。答えろ」
「リ・・・リヴァイ・・・」
「もし、冗談を言おうとして黙っているなら、あと数秒待ってやる。そうでないなら今すぐ言わねぇと、お前を殺す」
「リヴァイ兵長、おやめください!!」
モブリットが慌てて止めようとしたが、ハンジの首を締め上げるリヴァイの手は緩まない。
ハンジは抵抗をすることができなかった。
理由はどうあれ、約束を破ってしまったのだから・・・
「リヴァイ・・・私は・・・」
息も絶え絶えなハンジが口を開いた瞬間、リヴァイの腕を掴んだのはエルヴィンだった。