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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※





「エルヴィン・・・それはどういう・・・」
「これ以上の被害を出さないためだ。申し訳ないが、サクラ達には自力で状況を打破してもらうしかない」

それは、とても冷酷な言葉だった。
仲間を・・・サクラを見捨てろと言っている。

「そんなの、納得できないよ!」
「報告を受けているだけで、ここに来るまでに兵士の4割が死んだ。このままだと帰還するための陣形を組むことができない」
「4・・・割・・・?」

そこまで被害が大きかったのか・・・?
でも、だからと言ってサクラを見殺しにするのか。


「サクラだって大事な戦力だ!! 何より、リヴァイの」

「リヴァイの、何だ?」


エルヴィンの瞳が冷たく光る。


「リヴァイの恋人だからと言いたいのか? しかし、死んだ他の兵士にだって愛する者や家族がいた。サクラだけが特別というわけではない」

「・・・・・・・・・・・・・」

「お前も知っているだろう。長距離索敵陣形を展開するために必要な最低人数を」

「それは・・・」

「陣形無しでの帰還はリスクがより大きくなる・・・犠牲者を増やすだけだ」

「・・・・・・・・・・・」

「もしリヴァイもこのまま合流することがなかったら、我々にとって索敵陣形だけが生還する唯一の術となる」


エルヴィンの言うことが理解できない、程度の低い頭ならばどんなに良かっただろうとハンジは思った。

調査兵団にとって、サクラのために応援を送ることがどれだけの損害に繋がるか・・・
それが分かってしまうからこそ、エルヴィンを責めることができない。



「・・・・・・ああ!!!!」


ハンジは突然、脱臼した右肩を掴み、外れた関節を自分で戻そうとした。
当然のことながら、激しい痛みが襲う。

「分隊長!! 無茶はしないでください!!」
「モブリット、手伝ってくれ!! この肩を治して私だけでもサクラの所へ戻る!!」
「やめてください、傷が悪化するだけですよ!」
「いいんだよ! どうせ私も手負いだ、足手まといなだけだろう!!」

ハンジの目には涙が浮かんでいた。


「部下を見捨てるくらいなら、私は死んだ方がマシだ!!」

「分隊長!!」


とうとうモブリットがハンジを羽交い締めにした、その時。






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