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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※







その頃、調査兵団は隊列を組み直すため、小規模な巨大樹の森の近くで小休止していた。


「エルヴィン・・・エルヴィン!!」

ここまで片腕で馬を操っていた疲労からか、ハンジが地面に倒れこみながら団長のもとへ向かう。
今にも気を失いそうなほど憔悴している分隊長を見て、側近と作戦図を広げていたエルヴィンは驚きと安堵が入り混じった顔を見せた。

「ハンジ・・・! 無事だったか!」

なかなか合流しないため、ハンジ班は壊滅したものと思っていた。
怪我をしているようだが自分の足で歩いているところを見るに、命に別状は無さそうだ。
この様子ならこの先の作戦にも参加できるだろう。

しかし、大事な存在がハンジの傍らにいないことに気がつく。


「サクラはどうした・・・?」


モブリットはそこにいるが、サクラの姿が見えない。
するとハンジは悔しそうに唇を噛みながら、忙しなく辺りを見回す。

「ここへ戻ってくる途中、巨人の群れに遭遇したんだ! リ・・・リヴァイは?!」
「リヴァイはまだここに来ていない。群れに遭遇して、そしてサクラはどうした?」
「サクラは・・・途中で合流した索敵班の子たちと一緒に残った」
「残った・・・?」

ようやく落ち着きを取り戻してくると、ハンジは左手でエルヴィンの服を掴んだ。

「今すぐ応援を送ってくれ!! リヴァイがいないなら、それなりの数が必要だ!!」

「・・・・・・・・・・・・・」

「索敵班もたった3人なんだよ! 私が傷を負ったから、サクラは私とモブリットを先に行かせてくれた。そして、自分は巨人達を本隊に連れていかないよう、残ったんだ」

「そうか・・・それは賢明な判断だった」

エルヴィンはそれ以上何も言わず、作戦図に視線を落として眉根を寄せた。


「エルヴィン・・・?」

様子がおかしい団長に、ハンジの顔が曇る。

「どうしたんだ、応援を送ってやってくれ」

今だってきっと戦っている。
応援を待っているはずだ。

しかし、エルヴィンは微動だにしなかった。
そして冷たい声で一言。


「・・・駄目だ」

「え・・・?」


今・・・なんて言った・・・?



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