【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
エレン・・・ミカサ・・・アルミン・・・
そして、出発前に出会ったトロスト区の少年・・・
彼らのためにも、調査兵団は守らなければならない。
「人類の未来は私が守る。人が・・・人らしく、自由に生きるために」
徐々に近まってくる、巨人の群れ。
サクラは大きく息を吸った。
全神経に集中し、筋肉を隆起させる。
今、リミッターが解除された。
その瞬間、身体中の血が沸騰する。
限界はすでに超えていた。
「ぐッ・・!!」
喉の奥から痛みと共に熱がものすごい勢いでこみ上げ、その場で真っ赤な血を吐く。
「ブルーム?! どうした!!」
「サクラさん!!」
心臓の鼓動が強すぎて、皮膚を突き破ってしまいそうだ。
しかし、不思議と身体中に力がみなぎってくる。
「私は・・・大丈夫・・・」
「だが、吐血しているじゃないか!」
「せ・・・戦闘に支障はありません」
自分に残された時間は、長くない。
でも、人間が持ち得る限りの力を発揮することができる。
この命と引き換えに・・・
サクラは顔を上げ、巨人の群れを見据えた。
風が優しく髪を靡かせる。
そして、強くも美しい笑みを浮かべた。
「私は未来を護る防壁となる」
次の瞬間、白と黒の翼が大きく空に舞った。