【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「ハァッ・・・ハァッ・・・」
苦しい・・・
心臓が破裂してしまいそうだ。
でも、これで私達も本隊を追いかけることができる・・・
僅かに希望が芽生えた瞬間。
それは打ち砕かれる。
「班長・・・! サクラさん!!」
赤毛の女兵士が叫んだ。
「何故・・・ああ、なんでよ!!」
一点を見つめながら、恐怖に慄いて体を硬直させている。
かろうじて指をさしている方角を見て、サクラも我が目を疑った。
「な・・・」
サクラ達、人間の臭いに吸い寄せられたのか。
それとも、轟々と立ち上がる巨人の蒸気に吸い寄せられたのか。
ドォォォン・・・
ドォォォン・・・・・・
地面が割れるほどの地鳴り。
それは恐怖心を煽るというよりは、絶望感を与えた。
「ダメだ・・・私達だけでは・・・」
何体もの巨人が群れをなしてこちらに向かってくる。
その数は10を超えるだろうか。
どうしてこれだけの数の巨人が集まってきたのだろう。
「俺達の血の匂いのせいか? それともただのクソみてぇな偶然かよ?」
班長も頭を抱え、やりきれない怒りをどこにぶつけていいのか分からないといった様子。
この憔悴しきった3人であの数を相手にするなんて、望みが絶たれたも同然だ。
「世界は・・・なんて残酷なんだろう・・・」
しかし、この先には本隊がある。
守りきらなくてはならない。
「リヴァイ兵長・・・」
貴方に会いたい・・・
心臓よ、どうかそれまで耐えて欲しい。
死は怖くない。
怖いのは、守りたいものが壊されること。
この数の巨人が隊列を襲えば、調査兵団は大打撃を受ける。
壊滅も・・・あり得る。