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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第5章 Eye of the Silver Wolf


あれから数カ月。

こうして調査兵として壁外に出ると、雪山で感じた死など大したものではないような気がする。

もう何度も本当の死を目の当たりにしてきた。


「サクラ、トドメを刺して!」
「了解!」

ペトラのアドバイス通り、うなじを剃り落とす際は刃を斜め45度に立てる。
すると少ない力で深くまで肉を抉ることができた。

巨人の体の動きが鈍くなり、熱を発しながら倒れていく。

「やった、討伐3体目!」
「おめでとう!」

補佐してくれたペトラが、サクラに向かってピースサインをした。

「ペトラが巨人の腱を切ってくれたから、トドメを刺すのは簡単だったよ」
「サクラもずいぶん腕を上げたね」

サクラと同じ年だが、1年早く調査兵団に入団したペトラ・ラル。
とても優秀な兵士で、特に討伐補佐数は兵団の中でも群を抜いている。
現在はミケ班所属だが、そのうちリヴァイ班に転属になるのではと噂がたつほどだ。

「右翼側が支援を要請してる!また煙弾が上がった」

ペトラがガスの残量を確認しながら言った。

今回の壁外遠征の任務は、補給ルートの確保。
なるべく巨人をルートから遠ざけなければいけない。
そのため、いつもより巨人との対峙が多かった。

サクラがシェリーを呼んだところで、後ろからオルオ・ボザドがやってきた。
ニヤついている顔から察するに、手柄を立ててきたのだろう。

「おめぇら何体殺ったんだ?」
「これで3体目だけど?」
ペトラが答えると、オルオは勝ち誇ったような顔で、指を大きく開いた右手を突き出してきた。
「俺様なんて5体だぜぇ?しかも補佐無しでこの数はすげぇだろ」
「あー、はいはい」
「オイオイ、もっと驚けって。5体だぜ、5体!」
「うるさいなぁ」
軽くあしらうペトラに、食らいつくオルオ。
サクラはそんな二人に吹き出してしまった。
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