【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「サクラ! そんな浮かない顔しないの」
「分隊長・・・」
「何はともあれ、これから巨人に会えるんだよ! 最っ高じゃないか!! 奇行種だったら言うことなしなんだけどなぁ!」
頰を上気させているハンジを見て、サクラにも笑みが戻る。
きっと分隊長にとって一番大事なのは、巨人をその目で見ることなのかもしれない。
そのためなら、壁の外に出る名目が行路整備だろうが巨人の究明だろうが、まったく関係ないんだ。
すると、それまでエルヴィンと話をしていたリヴァイがこちらへやってきた。
「サクラ」
「リヴァイ兵長」
そういえば、今まで出発前にリヴァイと言葉を交わすことはほとんど無かった。
大抵自分達は別々の配置だったため、待機場所が違ったからだ。
壁外でもリヴァイ班と行動したことが無かったのに、今回は一緒に行路を走るからなんだか緊張してしまう。
「壁外では、互いに視界から外れないことを心掛けろ」
「分かりました」
「それと・・・」
リヴァイはそっとサクラの左胸に触れた。
兵服の下には、昨夜つけたキスの痕がある。
「前方だけでなく、後方にも注意しろ。索敵から漏れた巨人がいるかもしれないからな」
「リヴァイ。サクラはもう新兵じゃないんだよ、それくらい分かってる」
「うるせぇよ、クソメガネ」
口を挟んだハンジを一睨みすると、再びサクラと向き合う。
「俺は状況によって配置場所から離れることもあるかもしれない。言うまでもないことだが、お前はハンジの指示に従って行動しろ」
「はい」
「だが、俺の視界にある限り、お前に何かあれば必ず助ける」
絶対に、死なせはしない。
リヴァイはサクラの後頭部に手を回すと、引き寄せて唇にキスをした。
巨人の活動領域へ足を踏み入れることへの興奮か。
それとも、恐怖か。
その唇は熱を帯びていた。