【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「ところで、リヴァイ兵長・・・つかぬことをお聞きしますが」
「なんだ」
「普段、自慰をなさいますか?」
「あ?」
これまでのムードをぶち壊すような質問に、リヴァイの眉間にシワが寄る。
むしろ、質問の内容を理解するまでに時間がかかった。
「何故そんな事を聞く? 俺に自慰をして欲しくねぇのか?」
そんなに俺はお前を満足させられてないのか。
溜まってるくらいじゃないと、硬さが足りないとでも?
なんだか自分との性行為を否定されたような気分だ。
「いえ、そうではなくて・・・」
サクラは一瞬だけ躊躇したが、意を決して口を開く。
「以前話した私の可愛がっている子が自慰のことで悩んでいて・・・恋愛はまだのようなんですが」
「発情期の犬のようにサカってんのか」
10代にありがちだ。
悩むほどのことだろうか。
「どうやら、誰かを想像しながらしてしまったことに罪悪感を持っているようなんです」
「普通だと思うが・・・むしろ、何故悩むんだ」
「純粋で真っ直ぐな子だから・・・きっと、許せないんだと思います」
とりあえず、自分との性行為に不満を持っていないようで安心した・・・
と同時に、何故その訓練兵がサクラにそんな相談をしたのか気になり始める。
「そいつ、なんでまたお前にそんなことを相談をしたんだ」
「さあ。男の人が自分の裸を想像しながら自慰をしていたらどう思うかと聞かれたので、それを知りたかったんじゃないかな・・・」
「お前・・・そいつに何もされてねぇだろうな」
「え?」
何故、気づかない?
お前を想像していたからそんなことを聞いたのだろうし、本人を目の前にして罪悪感を抱いているんだろうが。
苛立ちが少しずつつのっていく。
「何もされていませんよ」
本当はキスをされたが、あれは事故のようなものだったから明かす必要はないだろう。
何も気づいていない様子のサクラを、リヴァイはしばらく不満そうに睨んでいた。
しかし、ため息を一つ吐く。