【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
まったく・・・
口淫が上手くなったのはいいが、ぎこちない舌使いで必死に舐めてくれるサクラも可愛かった。
しかし、今は本気で意識が飛びそうになる。
嬉しい気持ちと、残念な気持ちが入り混じって複雑な顔をしていると、サクラがふとリヴァイの手を取った。
「俺の右手がどうかしたか?」
「私・・・兵長の手が好きなんです」
「・・・?」
リヴァイの右手を天井にかざし、筋肉質の腕から手の甲にかけて浮き出た血管を指でなぞる。
そして、今度は小指と薬指を見つめた。
「こちらでブレードを逆手に持つんですよね。私もやってみたい」
「よせ、トリガーが逆になるから扱いが難しい。オルオもいまだに習得してないようだしな」
「・・・でも、いつか教えてくださいね」
「・・・・・・・・・・・・」
「貴方に教えていただきたいことは、まだまだたくさんあります」
兵士としても、人間としても。
私は、貴方を深く尊敬しています。
そう言って体を寄せると、サクラが好きだと言った右手で顔を撫でられる。
「ああ、そうだな・・・」
明日の壁外遠征が終わったら、少し休暇をもらおう。
「これから時間はいくらでもあるんだ・・・知りたいこと、見たいものがあれば、一緒にそれを探していけばいい」
「兵長・・・」
「それに、もうすぐ桜が咲く季節だしな」
まずは、桜を見に行こう。
その言葉に、サクラは心から嬉しそうに微笑んだ。
東洋人にとって大切な花。
両親との思い出。
そして、初めてリヴァイと愛し合った場所。
桜が咲く光景は、サクラにとってそれだけ特別なもの。
リヴァイもそれを大事にしてくれることが嬉しかった。
「そうですね・・・桜を見に行きましょう」
憲兵から咎められてもいい。
また、二人で見に行きたい。
きっと命懸けの行程となるだろう。
しかし、貴方とならばどこへでも行ける気がする。
そう約束することが、とても幸せだった。