【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
翌日の早朝。
サクラはキースに挨拶をしてから、訓練兵団を出発した。
「本当にもう帰るのかよ。午後までゆっくりしていけば・・・」
「ごめんね、昼前には戻る約束なの」
残念そうな顔を見せているエレンの頭を撫でる。
ミカサ、アルミンも早起きをして、わざわざ兵舎の門まで見送りに来てくれた。
「もうすぐ訓練兵団を卒業するエレン達の顔を見たかっただけだからね・・・もう戻らないと」
「そっか・・・」
最初は、壁外調査の直前に休暇を取ることに気が引けた。
おそらく調査兵団では今、索敵陣形の最終訓練を行っているだろう。
ハンジも巨人捕獲の準備を進めていることだろうし、早く帰って手伝わなければ。
「エレン達に会えて良かった」
つかの間の休息だったけれど、初心を思い出すことができた。
それに、リヴァイとハンジが大きな影響を与えたという105期生にも出会うことができた。
すると、エレンは笑顔でサクラに向かって拳を胸に当てる。
「次に会う時はオレも調査兵だ」
「楽しみにしてるよ、イェーガー訓練兵」
エレンならきっと“自由の翼”のエンブレムが縫い付けられた兵服がよく似合うだろう。
ウォール・マリアを奪還し、さらにその先を目指す。
子供の頃からの夢を叶える姿を見てみたい。
「じゃあ、またね」
三人の姿が見えなくなるまで大きく手を振りながら帰路につく。
昨日の夜はエレンにドキリとさせられたけれど、本当に良い時間を過ごすことができた。
心臓に痛みもないし、この調子なら明日の壁外調査も大丈夫だ。
見上げれば、雲一つない空。
明日もきっと快晴だ。
まるで子供のように胸を弾ませながら、調査兵団を目指した。