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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「・・・!!」

突然、視界が遮られたところまでは認識できた。
しかし、唇にエレンのそれが触れているということに気がつくまで数秒かかる。

「・・・エレっ」

時間にすれば、ほんの一瞬だったかもしれない。
唇を重ねているだけで、その先は何もない。
そもそもエレンも、自分が何をしているのか分かっていなかった。

ただ、サクラに触れてみたい。
無意識のうちにそう思い 、それが行動に出てしまっていた。


「・・・・・・・・・・・・」

エレンは重ねていた唇を離すと、切なそうに顔を歪める。

「どうしてこんなこと・・・」
「・・・わかんねぇ」


自分に告白してきた女子達。
どうして、こんなことをしたがったんだろう。

余計苦しくなるだけじゃないか。


「なんかオレ・・・やっぱ苦手だわ」

キスも、人を好きかどうかを考えるのも。
胸が痛くなるだけだ。

「これからは誰かにキスしたいと言われても断ることにする」

「エレン・・・」

「なんか苦しいから」


これまで、エレンにとってキスという行為は愛情を確かめるためのものではなかったのだろう。
だから、頼まれれば唇を許していた。

でも、今は違う。
サクラはキスをされたことで、困ったような顔をしている。
事実、サクラはリヴァイ以外の男性に唇を奪われたことに動揺していた。

もちろん、エレンはリヴァイとサクラの関係を知らない。
でも、その表情を見ていると切なくなった。


「エレン、今のって・・・」
「自分でもわかんねぇ・・・気づいたらキスしてた・・・」
「深い意味はないんだよね?」
「無意識だったから・・・ないと思う」
「そうだよね・・・良かった」

ようやく安心したように笑顔を見せるサクラを見て、やはり胸が痛くなる。


なんで、サクラにキスをしてしまったのだろう。

いや、それ以前に・・・

なんで、サクラに欲情してしまうのだろう。


それを考え、答えを出そうとしても、エレンの頭はすでに限界を超えていた。



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