【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
どうして、いつもと同じようにできなかったんだろ。
どうして、サクラを想って慰めてしまったのだろう。
「・・・・・・・・・・・」
沈黙が流れる。
そしてふいに、温かい手がエレンの髪を撫でた。
「気持ち悪くなんかないし、自分を責める必要もないよ、エレン」
「けど・・・もし、男が自分の裸を想像しながらチンチン擦ってたら、いくらサクラでも嫌だろ?」
「分からないけれど、みんな誰かを想像しながらしてるんでしょ?」
「そうかもしれねぇ・・・でも、オレが想像したのは・・・」
お前が洋服を脱いで体を開くところなんだよ。
そんなリアルな想像するヤツなんていない。
顔を真っ赤にしながら俯くエレンに、サクラはあることを思い出した。
桜の下で初めてリヴァイに抱かれたものの、それからしばらくは体を求められず、不安だった日々。
ようやく互いの欲望を解放することができた夜、リヴァイはずっと我慢していたことを明かしてくれた。
『 意地張ってたからな。お前が寝た後、一人でシコッてた 』
無理強いをしてサクラを傷つけないよう、自分で慰めていた。
あの時、愛されているんだと知ることができて本当に嬉しかった。
「エレン、心配しないで。貴方のしたことは何も悪くないよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「貴方は、その人自身を少しも傷つけていない。その人を大事に思っているからこそ、自分が許せないんだよね」
いい子いい子と頭を撫でられる。
嬉しかったし、その手の感触が心地良かったが・・・
また下半身がギュッと熱くなるような気がして、サクラの手を払った。
「じゃあ・・・サクラは、誰かがお前のことを想像しながらヤッても嫌じゃないんだな?」
「嫌じゃないよ。でも、できれば知りたくないな、意識しちゃうかもしれないから」
「・・・わかった」
これからもサクラを想像しながら自慰に耽るかもしれない。
でも、それがサクラを傷つけることにはならないと知って、安心した。
そういう意味で、“わかった”と言ったエレン。
サクラはその気持ちに気づかず、もう一度頭をヨシヨシと撫でた。