【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
悩んでいたのが馬鹿馬鹿しく思えるほど、サクラとの食事は楽しいものだった。
壁外での話や、巨人を倒した話。
どれもエレンにとっては興奮するものばかり。
ミカサとアルミンも、楽しそうにサクラの話に耳を傾けていた。
「サクラ、このあと散歩に行かないか?」
・・・ちょっと話がある。
真剣な顔でそう言ったエレンを、サクラは少し驚いたように見上げた。
しかし、すぐに笑顔に戻る。
「じゃあ、この片付けが終わったらね」
食べ終わった食器を洗い場へ持って行こうとすると、ミカサがそれを止めた。
「サクラ、ここは私が片付けておく」
「ミカサ?」
「エレンの話を聞いてあげて」
エレン、今日はなにか変。
もしかしたら、自分には言えない悩みがあるのかもしれない。
声をひそめ、サクラにだけ聞こえるよう囁く。
ミカサも、エレンが朝から様子がおかしいことには気がついていた。
でも、自分がその理由を聞いたところで、意地を張って何も言わないだろう。
「・・・分かった」
エレンが話したいと思う人・・・
それが自分でないのは少し寂しいが、サクラなら信用できる。
二人で食堂を出て行くエレンとサクラを、顔を曇らせながら見送っているミカサに、アルミンが優しく声をかける。
「心配いらないよ、ミカサ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「エレンは少し戸惑っているだけだ」
昨夜。
そっとベッドを抜け出し、酷く憔悴しきった様子で戻ってきた親友。
触れて欲しくないようだったから聞かなかったけれど、きっとサクラが関係しているのだろう。
アルミンは綺麗な金髪を揺らし、宥めるように微笑んだ。