【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
“ もし、俺の部下になるなら、お前の命には責任持ってやる ”
二人の言葉は、一生忘れない。
自分の生き方と死に方は、あの夜に決まった。
「調査兵団に入り、リヴァイ兵士長とハンジ・ゾエ分隊長のお側で働きたい・・・そのためなら、どんなに自分は兵士に向いてなかろうが、訓練に耐えることができるんです」
その名前を聞いた瞬間、サクラは心から嬉しく思えた。
調査兵団には尊敬すべき人がたくさんいる。
しかし、その二人は自分にとって最も大きな存在だ。
「ハンジ分隊長も、リヴァイ兵長も・・・貴方がこうして訓練兵として頑張っていると知ったら、きっと喜ぶと思う」
「サクラさん・・・」
あと1年。
この厳しい訓練に耐えたら、夢は叶う。
ハンジとリヴァイが指し示したその道の先にある、調査兵団。
「私も貴方のことを待っているから」
その背中に、自由を表す双翼を背負う日まで。
「きっと夢は叶う。だから頑張って」
訓練兵時代は、自分と同じように苦悩したというサクラ。
しかし、その笑顔は優しく、その言葉は人に自信を与える。
きっと・・・自分の目指すべき姿は、この人だ。
「ありがとうございます、サクラさん」
訓練兵は頭に包帯を巻いた姿で、胸に拳を当てて敬礼をした。
「いつか貴方に追いつけるよう、頑張ります」
リヴァイ兵士長、ハンジ分隊長、そして貴方と壁の外の世界を走ってみたい。
どうか・・・それまで死なないでください。
調査兵団は、他と違って圧倒的に死亡率が高い。
次の壁外調査で命を落とすかもしれない。
訓練兵にできることはただ、そうならないように願うばかりだった。