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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「医務室に行くのね? 私も一緒に行くよ」
「あの・・・貴方は・・・?」
「私はサクラ・ブルーム。調査兵団所属で、ここの訓練兵団出身なの」
「調査・・・兵団!」

“調査兵団”と聞いた彼女は、瞳を大きく広げた。


聞けば、エレン達よりも一つ後輩にあたる105期生だという。
周りについていくのに必死で、いつ落第となっても仕方が無いんです、と泣きそうな顔で漏らした。

「今日だって、みんなは当たり前にできている空中移動も、私だけできなくて・・・」

訓練中に負った傷は、命に関わるものでない限りは自分でなんとかしなければならない。
実戦では、常に誰かが助けてくれるとは限らないからだ。
だから、落下して頭をぶつけても、付き添いは誰もいない状態で医務室に行こうとしていた。

本来ならば、サクラが手助けをして医務室に連れて行くのも規則違反なのかもしれない。
幸い、誰の目もないし、何よりも出血をしている彼女を放ってはおけなかった。



「私、兵士に向いてないんだと思います」

消毒液で傷口を洗ってあげていると、訓練兵は蚊の鳴くような声で言った。

「向いてない? どうしてそう思うの?」
「だって・・・私、体力はないし、運動神経も悪いし、何をしてもダメなんです・・・」
「そう? でも、貴方は105期生でしょ? ということは、もう2年近く厳しい訓練に耐えてきたわけだよね」

訓練初日で脱落する者も少なくはない。
同室だった仲間が、次の日にはいなくなっているなんてことはザラだ。

「体力が無くても、運動神経が悪くても、貴方は残った。それは評価すべきことだと思うな」

頭に包帯を巻きながら、サクラは自分が訓練兵団に所属していた頃を思い出した。
何度、こうして包帯のお世話になっただろう。

「私もいつも“自分は兵士に向いてないかもしれない。人の足ばっかり引っ張ってる”って思っていたよ」

「サクラさんも・・・?」

「でも無事に卒業したし、調査兵団に入ってから何度も壁外に行ったけど、こうして生きて帰ってこれてる」

どう、落ちこぼれもなかなかやるでしょ? と悪戯っぽく笑って見せると、訓練兵の顔にも笑顔が浮かんだ。
その時、初めて彼女がとても綺麗な顔立ちをしていることに気がつく。


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