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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※





特にすることもないサクラは、散歩もかねて立体機動の練習場へ行ってみることにした。
練習を見学したかったし、何か手伝えることがあるかもしれない。


「わ、懐かしい…」

立体機動の訓練は、バランスを取る練習、アンカーを正確に撃ち込む練習、ガスを効果的に噴射する練習、空中移動の練習、斬撃の練習など、細かい段階に分かれて行われる。

入団したばかりの訓練兵達にとって最初の難関ともいえる、バランスを取る練習に使われる器具が練習場の隅に置いてあった。
装備の欠陥が原因だったらしいが、エレンがこれに相当苦労したと聞いた。
自分は装備に問題がなかったくせに苦労した事を思い出し、懐かしさが込み上げてくる。

今では意識しなくても空中で思い通りの姿勢をとることができる。
それも何度も地面に叩きつけられ、時には骨折しても練習を辞めなかったからこそだ。


立体機動の訓練場となっている林の中からは、おそらく104期生達が斬撃の練習をしているのだろう。
ガスの噴出音と、巨人の模型のうなじを切り落とす音が聞こえる。

その様子を見に行こうとそちらへ向かおうとした時だった。

一人の訓練兵がフラフラとこちらへ向かって来る。
よく見ると、頭から血を流していた。

「大丈夫?!」

慌てて駆け寄ると、彼女は真っ青な顔をしている。
しかし、意識はちゃんとありそうだ。

「立体機動の移動訓練中に・・・アンカーがちゃんと刺さらなくて・・・」
「それでバランスを崩して落ちたの?」

女兵士は情けなさそうに頷いた。
頭から出血しているものの、脳しんとうの症状は無さそうだ。

昔、同じようにバランスを崩して落下した同期は、頭を強く打って亡くなった。
その事がよぎったが、どうやら心配は無さそうだった。




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