【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
翌朝。
サクラが食堂に行くと、多くの訓練兵が朝食をとっているところだった。
懐かしい顔もチラホラ見かけるが、ほとんどは見慣れないサクラを珍しそうに見ている。
ここを卒業してもう2年が経つ。
104期生なら自分を知っている者もいるだろうが、105期生と106期生は顔を合わせたこともなかった。
「サクラ!」
名前を呼ばれて振り返ると、ミカサとアルミンがこちらに向かって手招きをしていた。
丁度、これから朝食を食べようとしていたところらしい。
「おはよう、アルミン、ミカサ。あれ、エレンは?」
いつもならこの二人の間に座っているエレンの姿が見えない。
するとアルミンも紅茶を飲みながら首を傾げた。
「エレンなら随分早く起きて、訓練の準備に行っちゃったよ。何の当番でもないのに、珍しいよね」
「そうなんだ」
「昨日はサクラと久しぶりに会えて、あんなにはしゃいでいたのに・・・変なエレン」
「でも、今晩も泊まるからまだ時間はあるよ」
話ができるかもしれないと思って朝食の時間を合わせてきただけに、少しだけがっかりだ。
でも、この二人と並びながらオートミールを食べていると、まるで訓練兵時代に戻ったような気がする。
アルミンは座学でトップの成績で、技巧への道を強く勧められているらしい。
ミカサはやはり、進路についてはエレン次第だという。
もうすぐ彼らはキース教官の面談を受け、そこで志望する兵団を決めることになる。
二人とも調査兵団を選んだなら、エレンも一緒にまたこうして並んで朝食を食べることができるのだろうか。
心配だけど、それはそれで楽しみだ。
「じゃあ、僕たちは行ってくるね。サクラはゆっくりしてて」
「うん、ありがとう」
104期生はこれから立体機動の訓練なのか、アルミン達は装備を付けて出て行った。
立体機動、対人格闘術、馬術、座学・・・
訓練兵の一日は忙しい。
ただの練習でも、抜き打ちで評価されていたりするから気を抜けない。
自分もそんな生活を送っていたはずなのだが、もう随分と昔のことのように思えた。