【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
こんなに気持ち良いことはかつてあっただろうか。
まるで強い電流が体中を駆け巡っているようだ。
誰が通ってもおかしくない廊下で自慰に耽るなんて・・・
もし、ジャンにでも見られたらどうするつもりだ。
一瞬にして、訓練兵団の笑い者にされるぞ。
かろうじて残った冷静な自分がそう訴えるが、強い快感がそれを押しのける。
「・・・ッ・・・!」
“ エレン、こっちに来て ”
竿から先端までを捻り上げると、自然と涙が出てくる。
サクラ・・・
サクラ・・・・・・
“ 私を抱いて ”
想像の中のサクラが、一糸纏わぬ姿になって体を広げた瞬間。
「あっ・・・イッ・・・!」
大量の精液が、下着の中に吐き出される。
それと同時に、エレンの頭を埋め尽くしていたサクラの姿が、まるで霧が晴れたように消えた。
「はっ・・・はっ・・・」
呼吸が整うにつれて、押し寄せる罪悪感。
まだ竿がヒクついているが、それ以上は触っていられなくて慌てて右手を引いた。
自分は今、サクラに何をしてしまった?
姉のように慕っていたはずなのに・・・変な想像をして穢してしまった。
「気持ち悪ぃ・・・」
下着の中がベトベトで不快だ。
イヤ・・・それ以上に、自分に腹が立って仕方がない。
前に男子部屋でそういう話になった時・・・
ライナーが、クリスタをオカズにしていると言っていた。
コニーはなるべく巨乳の女の子を想像すると気持ちいいと言っていた。
しかし、誰かを思いながらした事のなかったエレンは、それらを聞いてもピンとこなかった。
「クソ・・・」
みんな・・・終わった後、こんな風に罪悪感を覚えているのか?
エレンは戸惑いながら、近くのドアから兵舎の外に出た。
井戸の冷たい水で、精液でベトベトの手と下半身を洗いたいと思ったのもあるが・・・
何より、何も知らずに寝ているだろうサクラの部屋のそばから離れたかった。
「明日・・・どんな顔してアイツに会えっていうんだよ・・・」
エレンは一人、
泣きそうになりながら夜空を見上げた。