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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




しかし、さっきみたいに断りはしたが、“キスだけでもして欲しい”と言われれば、なるべく相手の意思を尊重する。
それくらいの礼儀はわきまえているつもりだ。

「でも、それじゃ女の子が可哀想じゃない」
「可哀想? もっと大事なことがオレ達にはあるだろ」
「そうだけど・・・」
「普通の人間だったらいいと思うよ。でも、兵士を目指す人間には余計な感情だ」


その目・・・

巨人の事を考える時のエレンはいつも、猟奇的な顔をする。
赦すことのできない怒りと、癒えることのない悲しみが彼をそうさせている。


「エレン・・・」

もし、この世が巨人のいない世界だったら・・・
エレンは普通の思春期の男の子と同じように、誰かと恋に堕ちただろう。

「人が誰かを愛する気持ちって、どんな立場の人間だろうが大事な感情だと思うよ」

まだ15歳の少年に歩み寄り、その頰を両手で包む。
柔らかく滑らかな肌が、僅かに強張った。

「エレンはどうして巨人を駆逐したいの?」
「そりゃ・・・母さんやたくさんの人を殺したのはヤツらだ・・・」
「それだけ?」
「アイツらのせいでオレ達は自由を奪われたから・・・」

昔、アルミンに教えてもらった。

外の世界には、炎の水や、氷の大地、砂の雪原が広がっている場所がある。
それを見てみたい。
いつか探検するんだ、巨人なんかにその夢を阻まれたくない。


「人が巨人相手に剣を持つ理由なんて様々だよ」
「サクラ・・・」
「誰かを好きになって、その人を守るために剣を握る人もいる」


“ リヴァイは君を失いたくない。彼が命を懸けて世界を守ろうとしているのは、そこが君の愛している場所だからだ ”

“ 君は、こんな小さな花の命も慈しむ。だからリヴァイは、こんな小さな花の命も守ろうとしているんだよ ”


心の奥にまで響いた、エルヴィンの言葉。

リヴァイは、これまで犠牲になった兵士の意志を継いで戦っている。
そして、サクラが呼吸するこの世界を守ろうとしている。

それは全て、“愛情”からくるものだ。



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