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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「どれほど蔑まれようが、私にはこうするしかないのだよ」

力無く微笑むエルヴィン。
それは、沈着冷静な調査兵団のトップが普段見せる顔と、あまりにもかけ離れていた。

いくら王直属の憲兵とはいえ、ロゼとエルヴィンでは階級が違いすぎる。
どうしてロゼが手の届かない遠い存在であるかのように語るのか、分からなかった。

しかし、その理由を聞いたら団長が苦しみ、親友の抱える闇に足を踏み入れることになる。

自分にも他人に触れて欲しくない過去がある。
リヴァイもそれに気づいているだろうが、土足で荒らすような真似はしないでいてくれている。

ここはそっとしておくべきなのだろう。


「団長がロゼのことを本当に想っていること、私は分かります」

エルヴィンに向かって微笑む。

「だからきっと、ロゼも分かってくれますよ。最も素晴らしい方に想われているということ」

「・・・・・・・・・・・・」

僅かな沈黙。
そして、エルヴィンの金髪が揺れた。


「君は不思議な子だな、サクラ。私はリヴァイにすらロゼに対するこの気持ちをここまで語ったことはない」

「そうなんですか・・・」

「私はかつてロゼを深く傷つけ、運命を狂わせてしまった。彼女の心の中は、私への復讐心で溢れている」

訓練兵時代、ロゼはそんなそぶりをまったく見せなかった。
あれほど美しい顔立ちをしていながら、恋愛に興味を示さなかった事には疑問を抱いていたが・・・

とにかく努力家で、高い目的意識を持って首席を維持していたように思う。


「だがそのおかげで、私は彼女の心を支配することができる」


ロゼが兵士である限り、その心には、その目には、エルヴィンしかいない。
彼女に許されることが“別れ”を意味するなら、このまま蔑まれていた方がいい。


「本来の私は、その程度の愚かな男だ」


リヴァイに愛され、ロゼの親友であるサクラ。
エルヴィンはもしかしたら、この東洋人の血を引く兵士に嫉妬心すら抱いているのかもしれない。

同時に・・・
サクラにこうして全てを語ることで、救われた。

腹心のリヴァイと、
自身を見失いそうになるほど想っているロゼへの・・・

懺悔となるような気がした。




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