【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
リヴァイの・・・死?
あれだけの強さを誇る兵士長が、自ら死を選ぶなんて考えられない。
それも、リヴァイ自身のためではなく、団長のために?
「リヴァイにとって、私は絶対的な存在。命を投げ打ってでも生かすべきだと思っている。それが何故だか分かるかい?」
「いいえ・・・」
すると、それまでサクラの頭に置かれていた右手が離れ、今度は顎を軽く掴まれる。
そして真っ直ぐと団長の方に顔を向けさせられた。
「リヴァイは・・・サクラ、君を愛しているからだ」
その時。
美しい碧眼の向こうに、風に黒髪を靡かせる兵士長の姿が浮かんだ。
「彼は、自分の使命を理解している。自分の力がどこから来るものか・・・それをどのように使うべきか・・・」
底知れない力は、これまで人類のため犠牲になった兵士達が遺した意志。
リヴァイは、巨人を絶滅させるまで戦い続けるだろう。
だからこそ、壁外でサクラを側に置くことを嫌う。
「リヴァイは常に一番危険な仕事を遂行しなければいけない立場にある。私が彼にそう強いているわけだが、それ以上に彼自身が望んでいる」
「・・・・・・・・・」
エルヴィンがリヴァイに対して寄せている、全幅の信頼。
そして、リヴァイがエルヴィンに対して抱いている、忠誠心にも似た感情。
だが何よりも・・・
「リヴァイが私のために死ねる、その一番の理由は君だ」
「私・・・」
エルヴィンは、サクラが愛情を注ぎ、手入れをしている花壇に目を向けた。
「リヴァイは君を失いたくない。彼が命を懸けて世界を守ろうとしているのは、そこが君の愛している場所だからだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「君は、こんな小さな花の命も慈しむ。だからリヴァイは、こんな小さな花の命も守ろうとしているんだよ」
すべてはサクラ、君を愛しているからだ。