【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「サクラ」
しばらく花壇の世話ができなくなるため、いつもより多めに水をあげていると、突然背後からエルヴィンの声がした。
ジョウロを持ったまま慌てて敬礼をすると、団長は柔和な笑みを浮かべる。
「外出するのは知ってるが、その前に少しいいか?」
「はい」
するとエルヴィンは微笑んだまま、そばにあったベンチに腰を下ろした。
・・・このままだと、団長を見下ろす格好になってしまう。
自分は足元でしゃがんだ方がいいかと悩んでいると、エルヴィンは隣に一人分空いたスペースをポンポンと叩いた。
「遠慮せず、私の隣に座ればいい」
「でも・・・」
「リヴァイの事が気になるのかな?」
悪戯っぽく笑う団長に、どう返していいのか分からない。
そもそも、こうして二人っきりになるのは初めてのことだ。
「安心していい。彼なら、私の使いで外出している」
「あの・・・そうではなく、団長のお隣に座らせていただくのが畏れ多くて」
そう言うと、エルヴィンは目を丸くした。
確かにサクラは部下だが、リヴァイとの関係を考えれば、他の部下とは一線を画している。
もう少し砕けた関係になっても良いとさえ思っていた。
「やれやれ・・・私は普段、そんなに部下に対して壁を作っているように見えるのかな」
「いえ、そういうわけでは!」
「それなら遠慮することはない」
「・・・・・・・・・・・・」
ここまで言われては、断る方が失礼に値するだろう。
サクラはエルヴィンに一礼してから、その隣に腰を下ろした。