【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
翌日。
サクラはかつて所属していた、ウォール・ローゼ南部にある訓練兵団に向かっていた。
今日はそこで一泊することになっている。
サクラの体調を心配していたリヴァイは、本当にエルヴィンとハンジに掛け合って、壁外調査までの3日間を休暇にしてしまった。
その気持ちは有難いが、他の兵士が準備で忙しくしている中、自分だけ休みを貰ったことに気が引ける。
市街を抜け、森へ向かう一本道に出たところで空を見上げた。
太陽が西に沈もうとしている。
この分だと、訓練兵団に着くのは夜になるだろう。
「・・・夕陽だ・・・」
燃える火のような赤い色から目を背けたくなるのは、シガンシナが崩落した日のことを思い出すから。
最近はそんな事が無かったのに、今はやけに夕陽が気に触る。
「シェリー、少しゆっくり行こうか」
愛馬の足を緩め、サクラはため息を吐いた。
そして、調査兵団を出発する前に交わしたエルヴィンとの会話を思い出す。
尊敬してやまない人との、僅かながら濃密な時間。
あの時、初めて団長の心に触れたような気がした。