【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「サクラ」
一瞬、心の中を見透かされたのかと思ってギクリとした。
しかし、リヴァイの瞳はサクラの体をいたわる優しいもので、そこに疑いの色は微塵もない。
「明日から壁外調査まで休みにしてやる」
「でも、そんなに休んでいいのですか?」
「ハンジには俺から言っておいてやる」
「はい・・・」
しかし、突然数日間の休みを貰っても、どうしていいかわからない。
サクラには帰る実家はないし、かといって兵舎でのうのうと休んでいるわけにもいかない。
困っていると、リヴァイに頭をポンポンと撫でられた。
「訓練兵団に顔を見せてきたらどうだ。お前、可愛がっている三人がいると言ってただろう」
「ああ!」
エレン達に会いに行くのもいいかもしれない。
最後に会ったのは・・・
そうだ、初めての壁外調査に出る前だった。
「そうですね、あの子達ももうすぐ訓練兵団を卒業することだし」
そう思うと、無性に会いたくなってきた。
突然行って驚かせようか。
アルミンはきっと、目をまん丸にするだろうな。
「ありがとうございます、兵長」
「礼を言われるほどのことじゃねぇよ。まずはしっかり体調を治せ」
「はい」
笑顔で頷き、もっと体を寄せ合おうとすると、リヴァイに止められる。
「オイ・・・あまりくっつくな」
「え?」
「これ以上お前の体に触れてたら、ムラムラきちまうだろうが」
「・・・ダメなんですか?」
「ああ、ダメだ。今日はお前に無理をさせるつもりはない」
ヤッてる最中にまたぶっ倒れたらどうする、と眉をひそめる。
そんなリヴァイがおかしくて、つい声をあげて笑ってしまった。
本当に、この人に出会えて良かった。
粗暴な話し方も、不器用な優しさも、全てが温かい。
「お心遣いありがとうございます、兵長」
「気にするな。その代わり、覚えとけ」
元気になったら、今日の分まで抱き倒してやる。
「だから、今はゆっくりと休むんだ」
湧き上がりそうになる欲望を抑え込み、優しく髪を撫でる。
「そして、馴染みに会って羽を伸ばしてこい」
サクラはリヴァイの腕の中で頷いた。
何度も、何度も“ありがとうございます”と呟きながら・・・
長かった一日に別れを告げ、ゆっくりと眠りに落ちていった。